と、突然ですが、これ、なんでしょう?→
・・・クマです。
←では、質問を変えて、これは?
・・・ビーバーです。
・・・変なの♥ と思わずに、聞いてください。
これらは、カナダ先住民であるハイダ族のいわばトーテムなんですね。
私の通うUBCという大学の中に、人類学博物館なるものがあります。
カナディアンインディアンの民俗・文化を中心に50万以上の
コレクションが収蔵されております。
昨日はそこの博物館に行き、現在まだ興奮冷めやらずに
このブログを書いています。
先ほど紹介したトーテム、他にもサメ・タカ・カラス・ワシなど
色々あるのですが、それぞれ絵が記号化されているのです。
例を挙げると、
■クマ:
大きくて短い鼻に、大きな口、時に舌を出します。前足を見せているのがポイント
■ビーバー:
前歯が二本出ています。尻尾の象徴として、#模様が描かれます。
見つけられましたか?
それでは博物館の実物トーテムポールから応用問題です。
これは何でしょう?→
舌が出ていて、鼻がでっかくて、
ちょこんと前足が・・・
・・・そう、クマですね。
今度はさらに応用!
←これは何?
えっと、鼻が大きくて、前足がちょこん、と
でも舌が妙なものに変わっていて?
頭に変なのが載ってますねえ。。
実はこれ、クマに
狼とカエルが一体化したものなんです。
私は中国の各地で色々なトーテムやお面を見てきましたが、
もともとアニミズム(動物神や自然神を信じる)を持つ私たちの祖先は
色々なトーテムを混在させることでこの宇宙をあらわし、
また魔除けの仮面では、恐ろしい神様のトーテムをあわせることで、
より一層パワーアップを図ります。
このトーテムポールも同じように、
様々な神様が一体化し、強い力を持つと信じられていたのでしょう。
今回の収穫は、ハイダ族から出た芸術家のBill Reidという人について
知ることができたことかな。
中国農民画好きなわたくしですが、民俗芸術家が好きで、
特に贔屓にしている農民画作家も苗族農民出身の方です。
彼らのモチーフは
自然物に守られて人間が生かされている
自然物の前では人間は小さな存在である
という考え方で、
今日も太陽があって気持ちいいなあとか、
鳥のさえずりが耳に心地よいですな、
とかいう普段何気ない生活の中の幸せ。
その反面地震や津波災害で感じる自然への畏怖、
人間が持っている、あるいは持つべき
根源的なものを教えてくれるような気がします。
皆様、機会があったら、バンクーバーUBC内にあるMOAへいらして下さい。
googleイメージなどで、検索するのも良いかもしれません。